【約束のネバーランド】アニメ2期/第10話ネタバレと考察。農園側に情報を流し裏切ったかのように思われたヴィンセントでしたが、実はそれも作戦のうちでした。
全食用児を解放すべく、グレイス=フィールドへ舞い戻ったエマたちを待ち受けていたピーターとイザベラ。しかし、イザベラはそこで衝撃の行動を起こすのです。
【約束のネバーランド】アニメ2期/第10話あらすじ
ミネルヴァのペンのパーツには、グレイス=フィールドの地下にある人間界と繋ぐ門の存在から、内部の詳細な見取り図までも記されていました。
エマたちはそれらを基に全食用児の解放を実行に移すことを決め、まずは地下へと通じる直通エレベーターに食用児を集めることを目標とします。
ヴィンセントは、エマたちが潜入の準備に追われる中 農園側に作戦を密告していましたが、実はそれも作戦のうちでした。
潜入の直前、エマは何かを決意した様子で、レイとノーマンに話したいことがあると告げました。
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潜入の日、エマたちはヴィンセントが農園に密告した通り、気球を使ってグレイス=フィールドへ潜入します。
まず先に、フェイクの気球を飛ばして火事を起こし、警護の鬼たちの気を引きました。
その隙に、エマたちは古井戸を使ってハウスへ潜入し、それぞれの役割を果たします。
ノーマンとヴィンセントは、内部システムのハッキング、ジェミマやイベットたちは食用児に紛れてフィルに作戦を伝えに行きます。
システムのハッキングが終わると、ヴィンセントはピーター・ラートリーに対して宣戦布告。
それを聞いたピーターは、エマたちが内部情報をウィリアム・ミネルヴァから入手したことに勘付き、ミネルヴァが亡き今も自分を苦しめることに怒り震えるのでした。
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エマたちの作戦は上手くいき、全食用児を直通エレベーターに集めることに成功。
後はエレベーターを動かすだけと思われたその時、ピーターとイザベラが現れます。
気付けばエマたちは、円形のエレベーターを取り囲むよう銃を構えたママたちに囲まれており、最悪の事態を迎えていました。
それでもエマの瞳は光を失うことはなく、叶えたい未来のためなら何度でも諦めない、それが運命でも関係ないと主張します。
そんなエマのあまりにも強い意志にピーターが面を食らっていると、ピーターの背後にいたイザベラが「素晴らしい」と呟き、銃を彼に向けました。
そして、「それでこそ自分が育てた子たちだ、全員フルスコアだ」と声高に告げ、ピーターに向かって銃を構えながら、農園のやり方にうんざりして壊してやろうと思っていたことを告白。
さらにエマたちを助けようとしたのではなく、たまたま利害が一致しただけとのことでしたが、感謝を述べるエマに対してイザベラは僅かに口元を緩めました。
【約束のネバーランド】アニメ2期/第10話の解説と感想
エマがレイとノーマンに話したことは
アニメ2期の第10話では、原作漫画とストーリーはだいぶ異なるものの、大まかなストーリーは原作漫画19巻第166話から19巻第170話までが描かれました。
ただし、女王レグラヴァリマが登場しないため、ソンジュとムジカもグレイス=フィールド潜入作戦に加わっています。
また、原作漫画のゴールディ・ポンド編に登場する人物はアニメでは登場しないことから、潜入作戦の内容も大幅に変更されました。
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グレイス=フィールドへの潜入を直前に控えたエマが、レイとノーマンに話したいことがあると言っていたのは何だったのか。
2人を呼ぶエマはどこか緊張しているような、拳を握りしめて何かを決意したかのような様子でした。
この時、エマたちが話した内容については触れられませんでしたが、恐らく農園側の人間や鬼への対応についてではないかと考えられます。
それというのも、エマは以前から”誰も殺したくない”と話しており、いくらピーターが極悪非道な人物だとしても決して殺すような真似はしたくないはず。
故に、エマはグレイス=フィールドに潜入し人間世界を目指すにあたっても、誰ひとりとして殺さずに目的を達成したいとの思いをレイとノーマンに話したと考えられるのです。
事実、ピーターと対峙したエマは彼を恐れるでも怒るでもなく、ただ「一緒に生きよう」と提案しています。
ピーター相手にこんなにも大胆な発言をすれば、通常ではノーマンやレイから反発なり何かしらの反応があってもおかしくありません。
それもないことからノーマンとレイは、事前にこの事を把握していた線が濃厚と言えるでしょう。
ママたちの結託
直通エレベーターまで全食用児を集めることに成功したエマたちに対し、銃を構えるイザベラ率いるママたち。
これらのストーリーは、原作漫画19巻の第169話から第170話のストーリーと大筋は同じ形で描かれています。
原作漫画では、ピーターに銃を向けた際のイザベラの心情が細かく描かれており、本当はエマたちとの再会を喜んでいました。
しかし、イザベラはこれまで自分がエマたちに行ってきた仕打ちを許すことができず、エマたちから”ママ”と呼ばれる資格などないと思っていたため、勘違いしないよう協力したのではないと否定したのです。
ピーター・ラートリーが恐れているものは
ピーターはエマとの会話で、怒りを露わにした瞬間がありました。
それは、叶えたい未来のためなら諦めないというエマに、「それが運命だとしてもか?」と尋ねた時のエマの返答でした。
「そんな運命ならくそ食らえだ」と答えたエマに、ピーターは眉間に皺しわを寄せて苛立っている様子を見せました。
何故この時、ピーターはエマに苛立ちを覚えたのか、それは彼の置かれた立場に隠されているのではないかと思われます。
ラートリー家とは、代々鬼と人間が交わす”約束”の調停役を担っています。
そのため、ラートリー家の者は鬼に食べられることのない人間ではあるものの、言い換えれば”約束”に縛られ続けて生きていく運命を背負わされている者たちでもあるのです。
シェルターに残されたジェイムズ(ミネルヴァ)のメッセージにも”約束は破れない”と残されていましたし、調停役として人間世界と鬼世界の秩序を保つべく約束を交わしているため、是が非でもその約束を守らなければなりません。
それ故にピーターは、エマの運命なんて関係ないという”約束を無碍にしたかのような発言”に強い苛立ちを覚えたのでしょう。