【青の祓魔師】漫画25巻ネタバレ考察。
燐は、ついに自身の出生について向き合うことになったものの、それは想像を絶する惨い事態でした。
そんな事実に驚きを隠せない燐が、“神隠しの鍵”で辿り着いたのは獅郎の元。
獅郎はいつもと変わらぬ態度で、まるで全てを見透かしているようでした。
燐が、意を決して下した決断とは……⁉︎
【青の祓魔師】漫画25巻あらすじ
サタンの憑依体の脳の劣化が進み、ついにはユリ・エギンへの思慕は焦がれて妄執へと変わっていきます。
ユリを捜し回るサタンが辿り着いた先には、ルシフェルの姿がありました。
サタンはもう目も耳も感じなくなっているため、ルシフェルをユリと勘違いして近寄ります。
ところが、ルシフェルは哀れな思いから近寄って来たサタンの顔を握り潰してしまうのです。
怒り狂ったサタンは、憑依体を見つけるため手当たり次第人間に憑依。
しかし、通常の人間の身体はサタンの憑依に耐え切れるわけもなく死んでしまいます。
そんな中、唯一サタンの憑依を耐えたシェミハザはサタンが彷徨い始めたことから、身重のシエミを安全な場所へと非難させるよう言い渡すのです。
これが青い夜の真実でした。
サタンの力は強大で、聖騎士(パラディン)、四大騎士(アークナイト)までもが亡くなり、シェミハザ以外の三賢者(グリゴリ)さえもが重傷を負ってしまいます。
やがて、サタンが辿り着いた先には獅郎の姿が……。
サタンは“ユリが愛した獅郎”になりたかったのです。
そして今、ここで獅郎とサタンの戦いが繰り広げられるのです……!
【青の祓魔師】漫画25巻のネタバレ前半
雪男は守る
燐は産まれた瞬間から暴れ回り、聖騎士すら捕まえるどころか、近寄ることもできずに手間取っていました。
続いて産まれてきた雪男は産声も上げずに仮死状態でしたが、そんな雪男にも無理矢理サタンの片鱗がないかを確認する騎士たち。
その様子に気が付いた燐が騎士を焼き殺して雪男を助けると、その左目には炎が宿っていました。
暴走する燐の魔神の心臓は、聖騎士の焚木剣(ティソーナ)を以ってしても破壊できず、降魔剣を託された獅郎。
聖騎士らと“大水精の水牢”(オケアニデス・カルセル)を使って燐の動きを封じ、降魔剣で魔神の心臓を貫き、燐の魔神の心臓は降魔剣に封印されます。
これにより、悪魔の本性と切り離された燐を破壊し続けることを聖騎士が提案しますが、そんなことをすれば第2のサタンやルシフェルのようになるとメフィストが制します。
メフィストは、そうならないようにとユリへ燐と雪男を手渡したのです。
獅郎vsサタン
聖騎士に憑依したサタンは、獅郎にカラダをよこせと襲いかかります。
獅郎に語りかけるサタンの話から、ユリの過去が明らかとなりました。
ユリを育てたオクちゃんは燐火(サタン)に憑依され、自ら首を切って祓ったというのです。
まだ勝手がよくわからなかったサタンは、そのせいで力が戻るまで時間がかかったものの、全ては”本物の器“である獅郎に出会うためだったと。
そしてサタンは、“ユリに愛された獅郎”になりたいと獅郎に憑依します。
ところが獅郎は、サタンに憑依されても自我を失うことなく自らの首を切り裂いてみせたのです。
血だらけになった獅郎(サタン)は、“おまえの好きな男になった”とユリに近寄りますが、ユリに拒絶され気が動転してしまいます。
獅郎はその隙を突いて意志を取り戻し、自らサタンを追い払ったのです。
ただ生きてていいんだ
燐と雪男を抱くユリの元へやって来た三賢者のシェミハザは、「サタンを呼び寄せた存在として殉じてもらいたい」と言います。
燐たちとも引き離そうとするのを獅郎が止めに入り、子供を抱えたユリと共に逃げることに。
獅郎は”神隠しの鍵”を使って、今はもう使われていない雪原人(イエティ)の見張り台に作った隠れ家へと向かいます。
終始具合の悪そうだったユリは、雪道を歩く中で力尽きてしまい、最期に燐と雪男に「仲良くね」と言い残し逝ってしまいました。
そこで初めてユリへの想いを告白する獅郎でしたが、もう既に逝ってしまったユリに届くことはなかったのです。
自分が悪いと自責の念に駆られて泣き崩れる獅郎……。
するとその時、生き残っていた雪原人が獅郎に襲い掛かります。
ユリを失って生きる気力を失った獅郎は、一度は諦めたものの燐たちが雪原人に食べられそうになっているところを見て、いとも簡単に雪原人を倒し、雪原の上で泣き叫ぶ燐と雪男を見て呟きました。
「サタンの子供だって俺だって、誰だっていつか死ぬそれまでは、ただ生きてていいんだ」
出展元:【青の祓魔師】漫画25巻より引用
【青の祓魔師】漫画25巻のネタバレ後半
ルシフェルの暴挙
憑依体が限界を迎えたルシフェルは、自身の希望の光は潰えたと自壊して地球ごと滅ぼそうとしました。
その瞬間にメフィストが現れて時を止め、シェミハザが飛び掛かります。
創造皇(シェミハザ)の結晶の力を借り、生命をよくあるように導くことが創造皇の力だとルシフェルを消滅させたのです。
この際、シェミハザはルシフェルの攻撃を足に食らってしまいます。
そして、この惨事を招いたのは三賢者の失態だとして、三賢者を辞することを決意したのです。
その頃、獅郎は燐たちをメフィストに預けて逃げようとしますが、彼と交わした約束のため逆に燐たちの面倒を見ることとなってしまいます。
さらにメフィストは獅郎を、第二百五十一代聖騎士に叙することを決めます。
全ては獅郎を、一生騎士團に忠誠を誓う犬になって欲しいというメフィストのお願いからでした。
“あの日の真相”
虚無界のサタンの元に、メフィスト、ルシフェル、シェミハザ、アスタロトを始め、眷属(けんぞく)たちが集まっていました。
力が戻れば物質(からだ)を探すというサタンに対し、メフィストは完璧な憑依体として燐を育てて用意すると申し出ます。
それに対抗したルシフェルは、信捧者らが十三號セクションの研究を引き継いだ光の王(イルミナティ)で憑依体の研究を続けると言います。
これを機に、誰がサタンの物質(からだ)を作れるかを競うことになり、一番最初に用意した者にはサタンが一生味方することを約束したのです。
その一方で、獅郎は慣れない子育てに追われ疲弊していくものの、ついに三角の元を訪れて助けを求めることに。
そんな獅郎への支援の輪が広がり、燐たちは修道院で育ったのです。
それから時は進み、獅郎がサタンに憑依され、自ら胸を貫いて自害した日の真実が明らかとなります。
- 獅郎はサタンの声が聞こえることが増えていた
- あの日、サタンが”思ったより早く完成しそうだ”と言ったことから、燐の肉体を狙っていると思った
- 覚醒しそうになった燐を連れ帰り助けようとするが、燐との言い争いから心を乱して自我が弱る
- その隙を狙ったサタンに憑依される(サタンの目的は燐の肉体ではなかった)
- サタンは獅郎の肉体に憑依することで、燐の自我だけを虚無界に拉致して洗脳することが目的だった
- 物質界(アッシャー)を手に入れるに燐は必要不可欠のため、連れ去ろうとしたサタンから燐を守るべく自害した
過去を全て見届けた燐が、自らを進みたい場所へ導く”神隠しの鍵”を使いやって来たのは……。
そこにはおにぎりを作る獅郎の姿があり、幼い自分たちが傍で寝ていたのです。
【青の祓魔師】漫画25巻の考察
聖騎士は被験体?
前・聖騎士は、青い夜でサタンに憑依されましたが、憑依される直前メフィストを見て”父さん”と言い残しました。
この後、完全にサタンに憑依されていることから、「父さん」という発言は聖騎士によるものでしょう。
このことから、聖騎士には十三號セクション(アサイラム)出身の者が選ばれていると推測します。
メフィストからすれば、正十字騎士團も十三號セクションも全てサタンやルシフェルを止めるためのもの。
それならば、聖騎士たる最高階級に属する者を、自ら最強の被験体を据えるのは至極当然のことだと思います。
前・聖騎士だけならば他の可能性も考えられますが、後の聖騎士になるアーサー・オーギュスト・エンジェル、藤本獅郎と、全員が十三號セクションの被験体なのです。
また、最高の被験体をサタンやルシフェルに渡さずに、敢えて聖騎士に据えるのは報復なのかもしれません。
シェミハザは、しえみの祖母
青い夜、サタンに自らも憑依されかけ耐えたシェミハザ。
サタンが彷徨い始めて危険なことから、万が一のことがないよう身籠っているシエミを、防魔壕(シェルター)へ連れて行くように付き人に言い渡しました。
このシエミという女性こそが、しえみの母親なのではないかと思われます。
燐たちの生まれた青い夜の出来事のため、お腹の中にいる子は、燐たちと同年代であるしえみと考えて間違いないでしょう。
しえみの母親がシエミだとすれば、シエミの母親はシェミハザ。
だとすれば、しえみは巨人の血を引いている末裔にあたることになります。
巨人の力については明らかとなっていないため、詳細は不明ですが、巨人の力を受け継いでいるため、訓練生時代から強力な力を発揮していたと考えられます。
そして、しえみが進路についての相談を母親にした際に、本当のことを聞かされたしえみは祓魔師(エクソシスト)になることを諦めました。
この時のしえみと母親の話の内容の描写はありませんでしたが、恐らくしえみは自分が次期シェミハザになるべく存在だと聞かされたのではないかと推測します。
それを聞いたしえみは、あの性格の優しさから自らの夢を諦めてでも、みんなを守る立場に就くことを決意したのではないかと考えます。
【青の祓魔師】漫画25巻の感想
今まで隠されてきた燐と雪男の過去が25巻目にして、ついに全て明らかとなりました。
それはあまりにも切なく惨いもので、胸が張り裂けそうになりました。
その中でも、獅郎の葛藤や、父親なんてわからないと言っていた彼がすっかり父親となり燐たちを守ってきたことは、特に感慨深かったです。
全てを見届けた燐が、最後に“神隠しの鍵”で向かったのが獅郎の元で、何も知らないような態度の獅郎でしたが、恐らく全てわかっていたのだろうと思います。
改めて、藤本獅郎のカッコ良さには脱帽です!
これにて過去編が終わり、今後の燐と雪男の行く末が楽しみです。