【ふしぎ遊戯】は1992年に少女コミックで連載された渡瀬悠宇による異世界ファンタジー漫画で、アニメ化や舞台化もされた大人気作品です。また、他にも続編【玄武開伝】や【白虎仙記】の連載もされました。
【ふしぎ遊戯】は、古代中国の四神が題材になってますが、今回は登場する四神と巫女について考察していきます。
【ふしぎ遊戯】あらすじ
中学3年生の夕城美朱と親友の本郷唯は、図書館の立ち入り禁止区域で四神天地書というものを見つけて読んでしまった。
その四神天地書を読み終えた者は、主人公と同様の力を得、願いが叶うとされ、美朱と唯は本の中に吸い込まれてしまう。
本の世界は古代中国に似た、異世界ー四征国の紅南国であった。
美朱は、そこで朱雀七星士の鬼宿や星宿と出会い、紅南国を守るため、現実の世界へ戻るために、朱雀の巫女となる。
そして、朱雀七星士を探す旅が始まる。
【ふしぎ遊戯】の神獣・四神とは?
四神とは中国の神話の霊獣で、天の二十八宿を七星宿ずつ東西南北に分けた四方を守る守護神のこと。
「方位の四神」とも呼ばれていた。
東は青龍(せいりゅう)、西は白虎(びゃっこ)、南は朱雀(すざく)、北は玄武(げんぶ)で、四神にはそれぞれ司る方位、季節、象徴する色などがある。
【ふしぎ遊戯】での四神も、それぞれ象徴するカラーがあり、青龍は青または緑、白虎は白、朱雀は赤、玄武は黒となっている。
神獣の姿もあるが人の姿もしていて、四神とも男性のような容姿で青龍はきりっとした顔立ち、朱雀は優しそうな中性的、玄武は髭があって威圧感のある男性、白虎は明るそうで一番若い印象の青年といったそれぞれの特徴がある。
四神天地書とは?
元は中国に伝わる経典で『四神天地之書』という巻物。
『四神天地書』は、大正時代にこの経典を元に奥田永之介が日本語に訳した書き物で、四神天地書は少女のみを吸い込む呪われた本。
序文以外は、少女の言動や行動などに全て書き換えられていく。
文章が勝手にページに浮かび上がるようにあるのだ。
神獣を呼び出すまでは巫女の元にあり、召還後は新たな少女の前にまた現れる。
四神召還の儀式と巫女
四神天地書に選ばれ、本の中に吸い込まれた現実世界の少女は、いずれかの四神の巫女の役割を果たさなければならない。
なぜなら、四神の伝説では「異世界から現れた娘は、巫女として七星士とともに神獣の力を得、国を救う」という。
召還の儀式の際に必要な物は、巫女が身につけている神座宝というものである。
その神座宝は、四大国によって違う。
その時、巫女が身に着けていたものに神力が宿って神座宝となる。
巫女となるものは、身を清めた純潔なるものしかなれず、神獣を召還するのは生贄になるということ。
強い精神力があれば、死ぬことはない。
神獣の神通力を手にいれた巫女は、どんな願いも3つ叶えることが出来る。
神獣の神通力を手に入れるのと引き換えに、自らの命を捧げ身体は神獣に蝕まれていく。
青龍は鱗が、朱雀は背中に亀裂が入り翼が生えるなどの体に現れる。
それにも耐えるのが【ふしぎ遊戯】の巫女たちなのだ。
【ふしぎ遊戯】 の四神と巫女のまとめ
四神との巫女は、神獣が本の中から巫女になる相手をきちんと見定めていると思います。
身が清らかなら誰でもいいわけではないのです。
きっと、どんな試練も乗り越える強い精神力の持ち主。
そして、何があっても仲間や愛する人を信じる心の持ち主である事です。
神獣は、そんな少女に自分の国を守ってもらいたくて巫女となるべき少女を本に吸い込んだのでしょう。
巫女も生贄といっても、神獣と一心同体でいられる精神の持ち主だといえます。
第2部でも、四神の朱雀は世界を守ってほしいと巫女に再度呼びかけました。
それほど、神獣と巫女の間には強い絆が生まれたのでしょう。