「青の祓魔師」漫画30巻ネタバレ解説。サタンによるブラックホールの衝撃で吹き飛ばされた雪男と候補生たちは、かつて杜山しえみに貰った魔除けのおかげで全員無事でした。
しえみは正式に斎王となり、シェミハザからサタンを封じる役目を託されます。しかし、これが死に軍だとわかった祓魔師の多くは帰路に着き、残されたのは燐たち候補生とライトニングを始めとする少数の祓魔師だけでした。
「青の祓魔師」漫画30巻ネタバレ
新たな斎王の誕生
サタンによるブラックホールの衝撃で吹き飛ばされた雪男は、”このままサタンの一部になりたいんですか?”という何者かの呼びかけで目を覚まします。すると、そこへ志摩廉造が駆けつけ、少し離れたところにはイゴール・ネイガウスと霧隠シュラを始めとする候補生たちの姿もありました。
勝呂竜士だけは頭部から大量出血をしていたものの支障はないようで、彼ら候補生はシェミハザの治癒の加護を受けており全員無事でした。これは、かつて杜山しえみが勝呂たちに渡した四ツ葉のクローバーの魔除けのおかげであり、通常なら三賢者クラスが身につける護りだったのです。
そこへ、メフィスト・フェレス(時の王サマエル)が気を失った燐を連れて現れます。次の瞬間、境界領域が軟着陸したため、一同は境界領域の元へと急ぎます。
幸いにも軟着陸した境界領域に大きな被害はなく、四大騎士のルーイン・ライト(ライトニング)、オセオラ・レッドアーム、ルーシー・陽も無事で、シェミハザと地の王アマイモンも戻ってきました。とはいえ、魔神サタンの勢力圏から戻ったシェミハザとアマイモンはボロボロでした。
アマイモンの顔は半分悪魔と化し、シェミハザは吐血してその場に倒れ込んでしまいます。賢聖はサタンを封じるための最後の希望として、シェミハザの結晶の新芽を斎王に託しました。
このままでは命が危ぶまれるシェミハザはヴァチカンへと運ばれ、メフィストは休養に入ります。
早速、シェミハザから役目を引き継いだ斎王が指揮を取ろうとしたところ、封殺軍から反発が起きます。そもそも当代シェミハザの子は不適格として下野されたはずだと、封殺軍は斎王の力を疑っていました。
そんな封殺軍の態度に痺れを切らした斎王は自ら目元を覆っていた装飾を外し、しえみが姿を現します。しえみは、「私は正真九十代創造皇の子 斎王シエミだ!」と声を上げ、皆に力を貸して欲しいと訴えかけました。
しかし、ライトニングはこれからの戦いは勝利の保障はないとの理由で封殺軍の解散を命じ、残るか否かの判断は各自に任せるとしました。これにはさすがの祓魔師たちも最期くらいは家族と過ごしたいとの本音を漏らし、ぞろぞろと帰路に着きます。
斎王となったしえみが皆をまとめられなかったことに落胆していると、候補生の神木出雲がしえみの名を叫びました。
死に軍に挑む者と帰る者たち
出雲は祓魔塾でしえみと1番仲が良かったこともあり、真っ先にしえみに抱きついて再会を喜びます。その後ろには、燐たち候補生の姿もありました。
しえみとの再会を喜ぶ候補生たちに対し、ライトニングは家に帰る時間だと声を掛けます。ライトニングによれば、サタンの勢力圏では創造皇の力も弱体化するため、各主要支部に繋がる冷蔵庫を開け放すことはできないとのことでした。
なお、境界領域が浮遊していられなかったのも創造皇の力の弱体化が影響していたようで、創造皇の力の弱体化は祓魔師たち全体の弱体化を意味していました。そのためライトニングは燐たちを帰し、いつか自分たちの屍を辿ってサタンを倒すよう燐たちに未来を託すことにしたのです。
ところが、そんな提案を燐たちが受け入れるはずもなく、燐たちは自らの意思で共に戦うことを決意しました。
魔神サタンの心臓がある場所
ライトニングと勝呂は、サタンの心臓がある場所の調査にやって来ます。サタンの心臓は円状に囲まれた城壁の中央の巨塔にあり、3つの塔脚で支えられていました。
塔脚以外の場所は全て難解な迷路になっているうえ、城壁は登ろうとすると青い炎が吹き出します。さらに、一帯は下級以下の悪魔の力を減退させる重い呪詛がかかっており、もし魔力で飛行すれば即死してしまうほどの威力があります。
何よりも問題なのはイルミナティに完全に先手を打たれていることで、イルミナティのヘリが何機も周辺を飛び回るのに対し、騎士団はヘリ1機すら回せない状況でした。近隣諸国が援助要請に応じられないことからも、サタンの侵食が予想以上に深刻なのは明らかでした。
ライトニングはこの戦いの成敗にかかわらず、世界は変わってしまうかもしれないと呟きます。
その一方、燐たちは食事の用意をしており、燐とオセオラ特製のスパイスカレーを作っていました。燐はオセオラの魔除け料理の知識に興味津々で、オセオラにスパイスの効果を教わりながらカレーを作っていきます。
燐はカレーを煮込む間、皆とは離れた場所でひとり考え込んでいるようでした。そんな燐を心配した雪男は、燐に悩みを打ち明けるよう促します。
すると、燐はずっと殴ろうと思っていたサタンを殴れなかったことや、サタンと仲直りできなかったことを明かしたうえで、自分が間違っているのではないかと話し始めました。燐はこれまで悪魔を危険だと思ってねじ伏せてきたものの、実際には悪魔のことを何も知らないことから、自身の善悪の判断さえも揺らぎ始めているようでした。