【異世界居酒屋】は、小説家・蝉川夏哉のライトノベル作品をアニメ化。
ごく普通の居酒屋「のぶ」を舞台に繰り広げられるファンタジー作品です。
このお店はお客様の入口が異世界に繋がり裏口は現代のままという不思議なお店。
現代で普段から目にしている一般の居酒屋メニューは異世界人にとっては全く新しい物でした。
ひとつひとつの料理に感動する姿がたまらなく面白くもあり、異世界人の様々な問題を料理で解決する面も楽しめる物語です。
【異世界居酒屋〜古都アイテーリアの居酒屋 のぶ〜】見どころと解説
異世界人に感動を与える酒と料理
ビール
異世界では「トリアエズナマ」という名前だと勘違いされています。
異世界にはエールがあるそうですが、きめ細やかな泡に「洗われるような喉ごしで、冷えているせいなのか出来立てなのか、とにかくこのエールは最高だー」と大声で叫んで感動しました。
御通しの枝豆
ビールといえば枝豆、これは異世界人も同じようです。
皮についている塩加減が絶妙でビールと交互に止まりません。
「このまま御通しが無くならければ、俺の人生は豆を食うだけで終わるところだった」とまで言わせてしまう程です。
おでん
大根・こんにゃく・ちくわなどごく普通のおでんですが、異世界人からすると「体の芯からほぐされていく、これはまさに北方の神が食べた料理に違いない」とのこと。
異世界でじゃがいもはカルトッフェルと言われ、一般的にいつも食されてるようですがカラシをつけて食べると「スープは染み渡たりほっこりして甘くてこの辛みと絶妙に絡み合う」まるでホクホクした別の何かだとウットリしています。
熱燗
芳しい香、体の芯から全身が温まる心地良さ「これは神々が飲んだと言われる伝説の酒」とまで言わせてしまう日本酒。
若鶏の唐揚げ
異世界での鶏肉は、卵を産まなくなった痩せた鳥しか肉にならないため若鶏は初めての味。
外はサクサク中はふんわり、肉汁が溢れて噛みごたえのある弾力。
そこにビールを流し込む「これは騎士物語の英雄と姫君の出会い」とバックで薔薇が咲き乱れます。
きゅうりの一本漬
しっかり味の染みたきゅうりが止まらず「危ないこのまま無くならければ俺の一生はきゅうりを食べるだけで終わるところだった」と、枝豆同様また夢中に。
刺身
生魚は食うべからず。
生魚を食べると勇気を示せれると言われる程、生魚を食べる習慣がない地で初めての生魚を食す異世界人。
「これが生の魚、この艶この色まるでフルーツのようじゃないか。美しい」と、美味しさのあまりニンマリ。
海鮮丼
ひとつひとつの魚の旨味をライスが包み込み「丼の中で舞い踊る魚たちの共演、海鮮丼は素晴らしい」と、感動のあまり海を漂う幻想に包まれます。
珍味3点セット
酒盗、へしこ、ママカリ。
これに冷酒がたまらなく美味しいため、粗食期間中のとても偉い助祭様が規律を破り、お店に足繁く通ってしまうほどです。
料理で解決
お嬢様の10の難問
12歳の少女(ヒルデガルト)が満足いく料理を口にしなければ、もう2度と口を聞いてもらえない叔父(ヨハングスタフ)。
冬の間は物流が止まるため、名店を巡っても満足のいかない少女。
結婚を控え、その不安からか難問をふっかけているようですが、
「臭くなくて、辛くなくて、酸っぱくなくて、苦くなくて、硬くなくて、パンでも芋でもおかゆでも卵でもシチューでもない美味しいもの」
という難問に出した料理は「餡掛け湯豆腐」でした。
豆腐自体がないこの世界、冬にも関わらずキノコや野菜の豊富さに驚きます。
ホロリとくずれる柔らかい食感、口の中でややこしいことは何もいらない暖かい優しい味が体の中から温まる。
少女から思わず「美味しい」と言う言葉がでます。
おでん、天ぷら、味噌田楽など次々と料理を食べ少女は心から落ち着いたよう。
これまで育ててくれた叔父への感謝と、これからの叔父を心配しての複雑な心境の面持ちでしたが、ひとつ大人になった感じの少女でした。
突然やってきた、ゲーアノート(古都アイテーリアの徴税請負人)
彼は、市から委託されあの手この手でアラを探し、たんまりと税金を取ってしまことで有名な男。
いつの間にか開店し、人気になっていた居酒屋のぶの儲けを税金として取り上げるためにやってきました。
大将が不在のため、従業員のしのぶちゃんが対応することに。
男はパスタを食べさせろと希望しナポリタンを食べましたが、まず見事な赤い色に驚きを隠せない様子。
そして「トマトのもつ甘みと酸味の黄金比」とケチャップに感動。
しのぶちゃんに勧められてチーズ、タバスコをかけて食べると「生命、宇宙すべての答え」と地上にもたらされたアガペー(神の無限の愛)と心の中で叫び大絶賛し、口の周りにケチャップを付けながら頬張る。
愛に溢れた懐かしい母親のパスタを思い出し涙します。
「スパゲティの形を借りた聖典だ」と、こんな店からは取れない、金貨を払い生まれ変われたとお礼を言い出て行いってしました。
イカが大の苦手なベルトホルト(衛兵隊「鬼」の中隊長)
お見合い相手の親がイカ漁師のため、「イカが食べれないとお見合いがうまくいかない」と困り果てていました。
イカソーメン、イカの生姜煮、イカ団子、イカリングフライと出すも食べられないため、バイトに入った小さい女の子エーファちゃんが美味しそうに食べる姿を見せつけます。
食べられないのは曾祖父さんから聞いた巨大イカに船が飲み込まれた話、イカに呪われるからという理由だと話します。
たくさん食べてしまったから呪われてしまうとエーファちゃんが大泣きしてしまいます。
その罪悪感から、ベルトホルトはイカリングフライをひとつ口にすると、泣きながらこんなに美味かったのかと感動。
漁師しか巨大イカを見たことがないため、普通のイカを見せてあげると「騙されていたのか」と次々にイカを食べ、やっとイカを克服出来たから見合いも成功すると大喜びします。
実際は、本当に巨大イカがいるのが異世界なのですが……。
異世界人には料理以外も驚きの連続
入口の引き戸
ガラスが高級品なため、入口で高級店なのではと心配する人も。
ビールジョッキ
同じ大きさの大量のガラスグラスに、ガラス職人がジェラシーを感じるほどに感心します。
おしぼり
この世界には”おしぼり”の習慣がなく、温められたおしぼりに「この店はなんて細やかな配慮をするのか」と、本当に気持ちよさそうな皆の顔が素敵です。
卓上コンロ
持ち運び出来る小型の炉。
目の前で暖かくなり、そのまま料理を食べられることに貴族は大感激。
水道水
水を汲むことは出来ても煮沸しないと飲むことが出来ませんが、薪の値が高い。
小さい女の子が、飲み水を得るために蛇口を盗もうとお店に忍び込ます。
らっきょ
夜も開いてる100円スーパーに売ってると、しのぶちゃんが買いに行きます。
裏口は現代なので、夜にもかかわらず買い出しが出来ることに、異世界人は驚きと不思議でいっぱいです。
【異世界居酒屋〜古都アイテーリアの居酒屋 のぶ〜】の感想
居酒屋「のぶ」の大将の声を務めている杉田智和の声は、渋くてキャラクターの印象と合ってました。
普段から目にしてる料理の数々に、素直に感動してくれる異世界人の表現が大袈裟でとても笑えますし、見ていると本当にビールが飲みたい!おでんが食べたい!という気持ちになってきます。
美味しいものは、どの世界でも正義だと感じました。
皆から愛される居酒屋「のぶ」は、これからもアイテーリアの人々の胃袋と心を満たしてくれることと思います。
WOWOWオンラインでは、大谷亮平主演で実写化されておりこれからの注目度にも期待です。