【青の祓魔師】26巻ネタバレ考察。悪魔の子として生まれて罪悪感を背負い生きてきた燐ですが、”神隠しの鍵”を使って獅郎との再会を果たしたことで愛されていた真実を知りました。
真実を伝えて雪男と共に生きるべく、燐はイルミナティの施設へ迎えに行くことに。しかし、そこで待ち受けていた雪男にかつての様子は見られず、自分のことを殺すように言い出したのです……!
【青の祓魔師】26巻ネタバレ
しえみの決断
しえみは聖座庁に連れられた斉庭に着き、奔星の扉を前にしていました。
メフィスト(サマエル)の創造物だという奔星の扉の中は外と時間の流れが異なり、中での1ヶ月は外での1時間ほどに匹敵するよう。
本来なら基本を学ぶだけでも3年はかかる修練を済ますのに、急を要するため奔星の扉での修練が必要だと説明を受けるしえみ。
この先は厳しい道となると覚悟を問われたしえみは、みんなの役に立てることを確認し、意を決して中へと入っていきました。
しえみを送り出したエレミア・ウザイは「残るはアーサーですね」と呟き、強い光を灯す必要があると不敵な笑みを浮かべて見せました。
燐と雪男の再会
自身の過去を全て受け入れた燐が向かったのは、イルミナティにいる雪男の元。
そこには、自身の左目に金属の棒を突き刺そうとする雪男がいました。
雪男は左目に寄生するサタンを追い出すための最終手段として、肉体に死ぬほどの激痛を与える”ショック療法”を試そうとしていたのです。
迎えに来たという燐に雪男は、イルミナティを潰す目的でここにいたことと、イルミナティはサタンの復活に自分を利用しようとしていることを打ち明けます。
それゆえに自分が死ねば全て解決すると、魔神の落胤の燐なら殺せるはずだと自分を殺すように頼んだのです。
これにより、力ずくで生きてつれて帰るという燐と、全力で殺させてやるという雪男の史上最大の兄弟喧嘩が始まることになります。
”俺”を飼い慣らす
力では悪魔の力を持つ燐が圧倒的に強いものの、頭脳では遥かに雪男には敵いません。
2人は互角の勝負を繰り広げますが、次第にワンパターンな燐の攻撃を見切った雪男の攻撃が入ることが増えていきます。
さらに燐は、雪男の持つイルミナティ製のアルムマヘル銃の攻撃によって、体の自由が効かなくなってしまいました。
悪魔の血を引く燐にとって聖水は非常に効果的なため、追い込まれた燐では悪魔の力を自制しきれなくなります。
ところが燐は、力任せに雪男を殺そうとする度に理性を取り戻すほど悪魔の力をコントロールできるよう成長してきました。
それどころか、雪男に寄生したサタンと雪男を燃やし分けると言って、悪魔の炎を操ってみせたのです。
しかし、降魔剣のように実体がない状態での炎のコントロールは非常に難しく困難を極めます。
そんな時、遠目から様子を伺っていた子猫丸が燐に降魔剣を手渡しました。
再び降魔剣を手にし驚くべく成長を見せた燐は、こう言ってのけたのです。
「俺は俺を飼い慣らす」
出典:【青の祓魔師】第124話より引用
【青の祓魔師】26巻の考察
しえみは次期シェミハザか⁉︎
正義感が強く仲間思いのしえみの性格からすれば、”祓魔師になる”という仲間との約束を破ってまで受けたこととなると、相当な意味を持つ決断だったはずです。
しえみは、聖座庁に連れられた斉庭に着いて奔星の扉を前にして修練に入る際には、仲間のためになるのかを確認していることからも、仲間を思っての決断であったことがわかります。
これらのことと、しえみの母が創造王・シェミハザであるということを踏まえれば、しえみが次期・創造王シェミハザとして修練を受けることになったと推測できます。
しえみの母が創造王・シェミハザだというのは前巻の25巻の考察に加え、これまでにいくつかのヒントが隠されていました。
- 三賢者の説明に中年、女性、老人とある(正十字騎士団ガイドより)
- 三賢者の並び順の中央は、創造王・シェミハザであることが明らかになっている(第69話より)
- 三賢者の左側は虚無皇・アルムマヘル、右側は氣の王・アザゼルの代理人である老人
- 創造王・シェミハザの容姿がしえみの母に酷使している(第38話より)
さらに、買い付けだと言って何かと祓魔屋を留守にするしえみの母の行動も、実は創造王・シェミハザを演じるために出かけていたとも考えても不思議ではありません。
しえみの正体
しえみの母が創造王・シェミハザだとすれば、しえみは”悪魔”と”巨人”の血を引いている可能性が非常に高いと考えられます。
第86話で十三號セクションの調査をしていたライトニングと勝呂が、メフィスト(サマエル)の元に飛ばされた際に聞かされた過去の話の描写にヒントがあります。
- 100年ほど前の八候王の会議にて、ルシフェルがキレる
- 八候王の中でもルシフェルは、受肉する人間の肉体の劣化が早い
- ルシフェルは劣化による肉体の痛みに耐えられず、全てを平等にすべく地球ごと消し去ろうと考える
それに異論を唱えたのが、目深にフードを被ったお団子頭で着物を着た女性と思しき人物。
この人物の発言に対してルシフェルは、「黙れ、混血」と罵りました。
この人物こそが創造王・シェミハザだと考えられ、その可能性を裏付けるのは前項で考察したしえみの母が創造王・シェミハザであることと、ルシフェルの発言に反対しているためサマエル派閥だということです。
創造王・シェミハザは青い夜にて、暴走するルシフェルを自らの足を犠牲にしてまで止めており、サマエル派閥であることがわかりました。
さらにしえみの祖母も足が悪くお団子頭で着物を着ていますが、これらは祖母に限らず杜山家に共通している点でもあり、創造王・シェミハザと酷似しています。
そしてこれが正しければ、しえみは悪魔と巨人の血を引いていることになるのです。
聖騎士・アーサーを呼ぶ理由
聖騎士・アーサーの正体
ここでは後に繋がってくるため、まず聖騎士・アーサーの正体についての考察をしていきます。
結論から申し上げますと、聖騎士・アーサーはルシフェル群の実験体と考えて間違いないでしょう。
アーサーがルシフェル群の実験体だと裏付けるのは、第85話でライトニングと勝呂が十三號セクションについて調査しているシーンにヒントが隠されているからです。
それは、ライトニングが目を通していた十三號セクションが稼働していたころの資料にありました。
- 実験についての説明文の意味
- ルシフェル群に載っている名前は1人を除き、全員イギリスの男性名(アーサーの出身はイギリス)
- 実験成功者には黒塗り、死亡者は斜線、生存者は空白
- 実験についての説明文の意味
まず1つ目の、十三號セクションで行われていたエリクサー実験についての資料内に書かれた説明文に、確信に迫る大きなヒントが隠されていました。
1.「ドナーの憑依体遺伝子をベースに生殖細胞」
2.「肉体再生能力の高い悪魔が憑依した人間のドナー」
3.「遺伝子配列の組み変えを断続的に行う素体」
4.「完全なコピーではない。生物学上はドナーの兄弟」
出典:【青の祓魔師】第85話より引用
これに加えて第86話で判明したことを照らし合わせていくと、1文目と4文目はエリクサーに適合する可能性の高い、八候王上位三位の憑依体の遺伝子配列を組み変えたクローンたちのことではないかと考えられます。
さらに4文目の「完全なコピーではない。生物学上はドナーの兄弟」というのは、アザゼル群のドナーの憑依体遺伝子は日本人であることを示しています。
補足すると、その当時にアザゼルが憑依できた人間は日本人であり、そのドナーの遺伝子を組み変えて異なるクローンを作っていたということだと読み取れるのです。
これらを踏まえると、ルシフェル群はイギリス名しかないことからも、ルシフェルが憑依できたのはイギリス人だったことがわかります。
- ルシフェル群に載っている名前は1人を除き、全員イギリスの男性名(アーサーの出身はイギリス)
ルシフェル群の名前が書かれた資料の中で、1人だけイギリス名ではない名前が”ARSTUR”。
しかし、これは事実をぼかしたいという作者の意図的なミスが考えられ、実際には”ARTHUR(アーサー)”なのではないかと思われます。
- 実験成功者には黒塗り、死亡者は斜線、生存者は空白
これは第86話にて、ライトニングが十三號セクションの資料から見つけたアンブロシウス(アマイモン)のRESULT(結果)の欄が”黒塗り”になっている者は成功者だと判明しています。
さらに第88話では、勝呂が十三號セクションから持ち帰った資料を見直しているシーンにて、藤本獅郎の記録からRESULT(結果)の欄が空白になっていました。
これにより、RESULT(結果)の欄が”空白”の者は生存者であると考えて間違いないでしょう。
聖騎士・アーサーと思われるルシフェル群の実験体”ARSTUR”のRESULT(結果)の欄は、空欄でした。
ということは、”ARSTUR”は生存している可能性が高く、写真を見るとアーサーに酷似していることから、ルシフェル群の実験体”ARSTUR”=聖騎士・アーサーと推測できるのです。
聖騎士(パラディン)・アーサーを呼ぶ理由は?
しえみを修練に送り出した後に、エレミア・ウザイが聖騎士・アーサーを呼ぶかのような発言がありました。
このタイミングで聖騎士・アーサーを呼ぶのは、創造王・シェミハザとなるしえみと結婚させようとしているのではないかと推測します。
これについては、しえみとアーサーが抱えるバッググラウンドに所以があると考えられるのです。
まず、しえみは前項で考察した通り、悪魔×巨人の混血だとします。
次に聖騎士・アーサーはルシフェル群の実験体だとすると、この2人が結婚して子供が生まれたら悪魔×巨人×ルシフェル群(最強の実験体)の子供ができることになります。
そうなれば、サタンやルシフェルという強大な力を持つ悪魔に対抗できる、最強の武器であり盾である存在ができることになるのです。
この血統が実在できれば、これこそ最強の光となる存在に間違いないと言えるでしょう。
もし実現するとしても、それまでにはそれなりの時間はかかることになりますが、その間は燐を聖騎士にして物質界を守らせれば、実現はそう難しくないと考えられます。
【青の祓魔師】26巻の感想
突然みんなの元を離れたしえみは、どうやら急いで修練を済ます必要があるようですが、これが何を成すのか今後の展開がますます気になります。
やっと再会を果たした燐と雪男たちはまさかの大喧嘩、感動の再会とはいかないところもこの2人らしく感じました。
それにしても燐の成長が目まぐるしくて、悪魔の力に振り回されていた頃とはまるで別人かのような成長っぷりに驚きました。
それでも燐の根にある優しさは変わることなく、呆れるほどに真っ直ぐな姿にはグッと来ることも。
しえみの件も動きを見せ始め、より一層今後が気になる展開になってきた【青の祓魔師】から目が離せません!