【進撃の巨人 The Final Season】アニメ64話ネタバレ。2021年1月8日に単行本33巻が発売、さらに2021年1月9日には連載誌「別冊少年マガジン」で33巻の続きが2話読める!ということで大きな盛り上がりを見せています。
アニメのみで物語を追っている方は検索でのネタバレにご注意ください。
【進撃の巨人 The Final Season】64話「宣戦布告」あらすじ
ライナーがファルコに連れられてやってきた地下室には、片足のないエレン・イェーガーが座っていました。
「4年ぶりだな、ライナー」
あまりのライナーの固まりように不安になったファルコは「ふたりは古い友人だと聞いた」と、口にします。
エレンはライナーに座るよう促すと、ここは舞台の裏にある普通の住居の地下室で、喧噪がよく聞こえるいい席だと話します。
そのころ広場では、舞台の開幕を控え緊張するヴィリー・タイバーをヒィズル国アズマビト家のキヨミが訪れていました。
激励の握手をするとすぐにキヨミは立ち去り、舞台を見ることなく会場をあとにします。
一方、会場ではカルビー元帥や各国の大使、名家の数々や世界中のマスコミが揃っていることにガビたちが驚いていました。
ファンファーレが鳴りそろそろ始まるというとき、ひとりの兵士が「マガト隊長がお呼びだ」と“マーレの戦士”を呼びにきました。
地下室ではライナーが「エレン、どうやって。何しにここにきた?」とたずねています。
「おまえと同じだよ」エレンは答えます。
会場では、ヴィリー演出による舞台が始まりました。
- 巨人によって多くの人命、文化、歴史が奪われてきた。その殺戮こそがエルディア帝国の歴史
- 敵がいなくなった後は同族同士で殺し合いを始めた。それが巨人大戦の始まり
- そこに現れたマーレの英雄へーロスが巧みな情報操作によって同士討ちを起こさせ、タイバー家と手を組んでフリッツ王を島に追いやることに成功した
- しかし王はいまだに力を持っており、島には幾千万もの巨人が控えている
- マーレはその脅威を排除すべく4体の巨人を送り込むが返り討ちにあい、戻ってきたのは「鎧の巨人」のみ
これを聞いたエレンは、「おまえたちは世界を救おうとしたんだろ?」とライナーにたずねます。
ファルコはなぜライナーがこんなにおびえているのか不思議でしたが、もしかしたらエレンはパラディ島の人間なのかもしれないと考え始めていました。
舞台ではヴィリーが、これからタイバー家のみが知る真実を発表すると言っています。
- 100年前に巨人大戦を終わらせたのはカール・フリッツ王。王はタイバー家と画策してへーロスを英雄と称し活躍させた
- できる限りのエルディア国民を島に移して壁の門を閉ざし、本意ではないが安息をおびやかせば幾千もの巨人で報復すると言い残した
- 王は「不戦の契り」を生み出し、その思想は代々受け継がれ、いままで島から巨人が攻めてくることはなかった
- のちに王家の命や「始祖の巨人」を奪おうとするなら受け入れる。それほどエルディア人の犯した罪は重くつぐなうことはできないが、それまでは壁の中で争いの無いつかの間の楽園を享受することだけは許してほしいと言い残した
人々はざわつき始めます。
タイバー家は一族の安泰を条件にカール・フリッツと手を組み、マーレにエルディアを売った卑しきコソ泥にすぎない。
この場で偽りの栄誉と決別したのは、この世界の置かれている危険な状況を理解したからとヴィリーは伝えました。
そしてそこに、戦士たちが呼びに行った兵士たちと姿を消したとの連絡がマガト隊長に入ります。
「始まったか」
ヴィリーの演説はまだ続いていました。
カール・フリッツは「始祖の巨人」の力で三重の壁を築いたが、幾千万もの超大型巨人で作られており、盾と矛として平和を守ってきたものであることを訴えました。
「しかし 近年パラディ島内で反乱が起きフリッツ王の平和思想は淘汰され「始祖の巨人」はある者に奪われました 世界に再び危機が迫っています フリッツ王の平和な世界に歯向かう者が現れたのです 平和への反逆者…その名は、エレン・イェーガー!」
出典:【進撃の巨人】25巻第99話より引用
その声を聞きながら、エレンの足は急速に修復されていきます。
「尊敬してたのに……」と悔しがるファルコに「悪いな、ファルコ。おまえには助けられた」とエレン。
ファルコに預けたあの手紙は家族宛てなどではなく、パラディ島の仲間に宛てのものだったのです。
*
ヴィリーは、パラディ島の脅威とは、この超大型巨人群による襲撃 “地ならし”だと言います。
エレン・イェーガーは地ならしを発動させる可能性を秘めている、と。
地ならしは、一度発動されてしまえば終末の足音に震え逃げ惑うばかりで出来ることはない。文字通り平らな地表と化してしまいます。
ヴィリーの言葉にエレンは、自分たちは世界を滅ぼす悪者かもしれない、しかし自分たちにもマーレが悪者に見えたとライナーとファルコに伝えました。
「なんであの日、母さんは巨人に食われた?」エレンの問いに、「それは、オレたちがあの日、壁を破壊したからだ」とライナー。
壁を破壊したのは、混乱に乗じて壁内に侵入し、壁の王の出方を伺うためで、その任務は「始祖」を奪還し世界を救うこと。
エレンは「世界を救うためだったらそりゃ仕方ないよな。敵と同じ屋根の下で敵と同じ飯を食った。ライナー、お前と同じだよ」と。
結局、海の外も壁の中も同じ。
ただ違うのは、マーレは何も知らない子供に壁の中に居る奴らは悪魔だと教え込んできたことでした。
「なぁ、ライナー。お前、ずっと苦しかっただろう」
しかし、ライナーはエレンの言葉を否定するかのように、アニとベルトルトを説得して作戦を決行したこと、英雄になりたかった、誰かに尊敬されたかったと告白し、エレンの母親が巨人に食われたのは自分のせいだと床に伏して懇願したのです。
「殺してくれ」と。
【進撃の巨人 The Final Season】64話「宣戦布告」ネタバレ
「死にたくないものは力を貸してほしい。どうかいっしょに未来を生きてほしい。皆で力を合わせれば、どんな困難も乗り越えていけるはず」
ヴィリーの演説に会場が歓声に包まれる中、エレンたちのいる建物の入口に兵士たちが集まっています。
エレンはライナーに「やっぱりオレは、お前と同じだ。」と手を差し出します。
ライナーは驚いた表情を見せながらエレンの手を取りました。
「おれは敵を駆逐するまで進みつづける。」エレンがそう言った次の瞬間、つないだ手から強烈な光が発せられます。
そして、ヴィリーがパラディ島への宣戦布告をすると同時に、建物を破壊しながら巨人化したエレンが姿を現したのです。
恐ろしい咆哮が響き渡りました。
【進撃の巨人 The Final Season】64話感想まとめ
今回は、エレンがついにマーレで巨人化するクライマックスに向け、たたみかけるようなテンポで展開していきました。
そこを語る前に、前半の内容に触れておきたいと思います。
冒頭、パラディ島潜入中のライナー、ベルトルト、アニのシーンが描かれていました。
前話にも登場した自殺した男の話です(【進撃の巨人】24巻第96話「希望の扉」)
自分たちと同じくらいの我が子を置いて巨人から逃げた男は、それを告白した翌朝首をつったのです。
心やさしいベルトルトは数年後、そのことを夢に見て考えました。
彼はだれかに裁いてほしかったのではないか、と。
このエピソードをいれることで、後半のエレンとライナーのやりとり、特にライナーの心情がより際立ちました。
犯した罪の意識にさいなまれ、もう楽になりたい、許されなくても裁かれたいという気持ちと、それを踏み越えてまで達成しようとする己の正義。
そのライナーとエレンの対比にぞくぞくしました。
そして、もはやエレンの敵は“マーレ(の戦士)”ではなく、全世界なのだという絶望的な状況がハッキリと示されました。
それを全人類に向けてついに発信したタイバー家ヴィリー。
その宣言を打ち砕くように出現するエレン。
ラストに向け、ヴィリーとエレンが交互に描かれ盛り上がっていく演出には震えました。
次回はついに最後の巨人「戦鎚」がお目見えです。
そして、“マーレの戦士”たちを連れ出した謎の人物、ポルコやピークがどうなったのかなどにも注目です。